March 2023

アート
イメージの力 河北秀也のiichiko design 展

OPAMで開催中のイメージの力 河北秀也のiichiko designへ行ってきました。 いいちこと言えば、ビリーバンバンの曲に合わせた独特な世界観のCMがすぐに思い浮かびます。 大分県民で知らない人はいないくらい有名なCMですが、河北さんについてはほどんど何も知りませんでした。 河北さんの生まれは久留米市だそうですが、歳の離れたお姉さんの嫁ぎ先でもある宇佐市院内町に幼少期から縁があったそうです。(高校の進路選択時にデザインの道へ進むことを決め久留米市の高校から宇佐高校へ転校されています) 私も母が安心院の出身で、宇佐市はとても身近ですが、河北さんとほんの少しだけ共通点が見つかり嬉しかったです。 さて、いいちこデザインの世界観は、花木や海などの自然が多く大衆向けの焼酎の広告とは思えないほど落ち着いたイメージです。 これは、いいちこに「ゆったりとくつろいだ雰囲気」や「心に深く染み入る癒やしのイメージ」を持たせるためだそう。 美味しく品質の良いお酒だからこそ生まれたデザインなのかもしれません。 ところで、長い時間をかけてそうしたイメージを定着させる試みは制作する側としてはなかなか勇気がいることです。 もちろん商品そのものに力がなければできないことですが、河北さんはいいちこの本質をはじめからしっかりと見抜いていたのでしょうし、また、互いの信頼関係もなければできないことだと思います。 そういった仕事ができることがものすごくかっこいいなと思いました。 河北さんと言えば、東京地下鉄路線図のデザインや、日本初となるパロディ広告なども有名です。 いいちこのデザインにしてみても、当時からしっかりとしたマーケティングを行っていたということが今回わかりましたが、案外合理的なデザインをされる方なのかなぁと感じました。 今回の展覧会をきっかけに、河北さんのお考えをもっと深く知りたくなり、著書を購入することにしました。到着がすごく楽しみです。 展覧会 造形紀行 「デザイン」の楽しみ こちらも、河北さんのデザインの力とともに楽しみにしていた展覧会です。 亀倉雄策氏のオリンピック東京大会第2号ポスター(復刻版)や田中一光氏のNihon Buyoを見れたことがとても嬉しかった! オリンピック東京大会のポスターでは、亀倉先生の1mmへのこだわり、のようなものを垣間見た気がします。 恩地孝四郎さんの作品も多数展示されていましたが、明治〜昭和初期のものとは思えないほどお洒落で驚きました。 「書窓」の表紙はタイポグラフィでも参考になることがあり楽しめました(これで観覧料300円!ありがたい^^) 普遍的な美しさとは、物事の本質を捉えることが大切なのかもしれないなぁ、なんて感じました。 天気も良く、平日でゆっくりと鑑賞できました。いつも素敵な展覧会を開催してくれることに感謝です。 時間があれば、また行こうと思います。

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